第49回「青梅」

投稿日: 2015年07月27日(月)09:48

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メグーです。
美里に引っ越してきてから、毎年大量にいただく季節の果実。
たわわに実る初夏の恵み。
今回のめぐみごはんは、青梅についてお送りします。

梅雨の晴れ間。一本の電話が鳴り響きます。「梅、採りに来ない?」
美里中に実った梅が、わたしたちを呼んでいます。
「もちろん!」と返事をして、すぐさま用意して出かけます。

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ほんとうに、毎年よく実ります。
と言っても、一昨年前に仕込んだ梅酒も、昨年に仕込んだ梅干しも、まだまだ余っているので、今回は梅ジュースと甘露煮の分をわけていただきました。
手で一つずつ、もいだ方が傷がつかずにキレイなのですが、斜面になっていて手が届きません。
棒で叩いて落とし、転がる梅の実を追いかけて拾います。

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さて、大量の梅の実。
まずはカンタン梅ジュースから。
こちらは夫が担当です。

梅の実を水洗いして、キレイな布で水をふき取ります。
竹串を使って、ひとつひとつヘタを取り除きます。
面倒臭くて、つい放置してしまいなのですが、梅は追熟が早く、放っておくとどんどん黄色くなってしまうので、ここは急いで処理します。

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梅がキレイになったら、梅と氷砂糖を交互にビンに詰め、あとは冷暗所に置いて、毎日ブンブン揺すって撹拌します。
するとこちらの梅が10日ほどで・・・

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こうなります!

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前回のしそジュース同様、4倍程度の水で割ったり、牛乳で割ったりしていただきます。
夏の暑い午後に、さわやかな酸味の梅ジュースは最高!

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さて続いては、メグー担当の甘露煮。

こちら本当に面倒です。手間もかかります。それでもこの甘露煮は、私の好きな梅の食べ方、第一位に君臨し続けています。
早速つくっていきましょう。

まずは梅を水洗いし、竹串でヘタを取ります。ここまでは梅ジュースと一緒です。

続いて、梅に針で穴を開けていきます。
種に突き当たるまでしっかりと、全体にブスブス刺します。
写真は素手でしてますが、結構な力がいるのと、針が滑るので手が痛くなります。
針を持つ手にゴム手袋をすると、針が滑りにくくて、少し楽でした。

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続けてたっぷりの水に浸してあく抜きをします。
何度か水を取り替えながら、一晩かけてじっくりと。

翌日、水を取り替えます。ホーローの鍋に水と梅の実を入れて点火!
ここからです。ここからが勝負なのです。
中火のガス台から決して離れてはなりません。お湯が温まってきたら、すぐに弱火に!
沸騰させるとすぐに梅の実は破れてグダグダになります。
梅の実をお風呂に入れてあげるようなやさしい気持ちで15分煮ます。

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15分後、お鍋を火からおろして流し台へ。水を糸のように細く出して、鍋のふちに垂らします。
やさしくやさしく冷やしてやらねば、梅の実はすぐに破れてグダグダになります。
鍋の水が完全に冷たくなったら、1時間ほど放置し、しっかりと冷まします。

水を換えて、再び弱火で15分。水を糸のように垂らして1時間・・・を3~4回繰り返し、これでようやくあくが抜けます。

鍋の水を捨て、鍋に梅と、梅の重量の80%の砂糖を入れて放置します。

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普段は、あまり甘すぎるのは・・・と少し砂糖を減らしがちな私ですが、これだけはお砂糖をケチりません。ガツンと甘さを効かせます。中途半端な梅煮ほど、残念なものはありません。
砂糖が溶けたらやはり沸騰しないように気を付けて弱火で15分ほど煮ます。
しつこいようですが、梅の甘露煮は、決して目を離してはいけないのです。
ほんの少し目を離したその隙に、梅の実は崩れ、気が付けばお鍋に大量のジャムができあがっていることでしょう(経験済み。あれ?思い出すだけで目から汗が・・・)。
15分経ったら、火を止めて冷まします。

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冷めたらタッパーに入れて冷蔵庫へ。
この時も、梅の実が破れないように、丁寧に。
キンキンに冷やしたら・・・。

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甘露煮というのは、本当に宝石のようです。
つやつやピカピカ。そして口に入れるとひんやりととろけ、梅の風味と甘味が口中にひろがります。
都会には美味しいスイーツ数あれど、田舎には田舎の贅沢が。
食後やお風呂上り、ひんやりとした梅の実のなんと美味しいことか!

ちなみに、破れて失敗した梅は、グニグニとつぶしてジャムにします。
パンに添えたり、ヨーグルトに入れたりも美味しいのですが、おススメはなんと言ってもパウンドケーキです。
たっぷりの梅ジャムを混ぜ込んで焼いて、焼きあがった仕上げには、梅酒をたっぷりと塗ってしみ込ませます。
ずっしりと落ち着いた2日後が食べごろです。
なぜか濃厚ずっしりタイプのチーズケーキのようなパウンドが出来上がります。こちらも家族で奪い合い。

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梅の甘露煮、梅ジュース。
我が家の夏に欠かせない二品です。
暑い日が続きますが、暑いからこそひんやり美味しい梅スイーツ。

ごちそうさまでした!